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マイクロ法人設立による社会保険の加入

最近、税金や社会保険料を節約するためにマイクロ法人を設立する個人事業主が増えています。フリーランスや一人法人の経営者にとって、マイクロ法人は税金や保険料を効率的に管理する手段として注目されています。

しかし、法人設立には社会保険加入や税負担の変化も伴うため、しっかり理解してから行動することが大切です。

こちらのページでは、マイクロ法人設立のメリット・デメリットを解説し、実際の判断基準をお伝えします。

Contents

マイクロ法人設立が注目される背景

個人事業主にとって、社会保険料の負担は大きな経済的課題となっています。近年、フリーランスや個人事業主の増加に伴い、保険料の節約策として「マイクロ法人」の設立が注目されています。

マイクロ法人は、社会保険への加入や税制面での優遇を得ながら保険料を抑える手法として広まりつつあります。

ただし、制度的なデメリットや複雑な手続きもあるため、慎重な検討が求められます。

マイクロ法人の定義と法的位置づけ

マイクロ法人という名称は法令で定められた正式な用語ではなく、一般的に**「1人で経営する小規模な法人」を指す通称**です。

主にフリーランスや個人事業主が、社会保険への加入や節税対策を目的に設立します。

法人の種類との違い

会社法で定められている法人には、以下のような種類があります。

📌 会社法等で定められている法人の種類

株式会社、有限会社、合同会社、合資会社、合名会社、 医療法人、宗教法人、学校法人、社会福祉法人、 社団法人、財団法人、営業所、出張所など

これらの中に「マイクロ法人」という名称は含まれていません。

マイクロ法人という言葉は、税理士やインフルエンサーなどが便宜的に使っている呼称であり、制度上の正式な位置づけはありません。

広義の法人概念とマイクロ法人

「法人」は、人とは別に法的な人格を持ち、契約や財産保有が可能な組織体を指します。

その中には、PTAや町内会といった人格のない社団も含まれることがあります。

マイクロ法人は、こうした法人の中でも特に「個人で設立・運営する小規模な会社」という性質を持ち、実務上は個人事業主の延長として捉えられることも多くあります。

💡 重要なポイント

マイクロ法人は上述のような法律で定められた法人の種類の中には入っていません。インフルエンサーなどがそう呼んで広まっている呼称であり、あくまでも概念的なものです。

マイクロ法人設立の目的

マイクロ法人の主な目的は、社会保険料を抑えることにあります。

個人事業主やフリーランスが法人化することで、保険料負担の最適化や税制優遇を受けることが可能になります。

一般法人との目的の違い

一般の法人が事業を拡大し、利益を株主へ配当として還元することを目的としているのに対して、

マイクロ法人は、事業規模の拡大よりも、税制上の優遇措置を活用することに重点を置いています。

そのため、経営方針も資本集約型の企業とは大きく異なります。

フリーランス・個人事業主と会社員が加入する保険制度の違い

フリーランスや個人事業主は国民健康保険・国民年金に加入するのが原則です。

一方、マイクロ法人を設立すると社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することになります。

📌 保険制度の違い

  • 個人事業主:国民健康保険・国民年金(全額自己負担)
  • マイクロ法人:社会保険(法人と個人で保険料を分担)

日本では**「国民皆保険制度」**により、**20歳以上の国民は必ずいずれかの保険制度に加入する必要があります。**社会保険に加入している場合、国民健康保険には重複加入できません。

配偶者控除・配偶者特別控除の制度改正のポイント

2025年12月1日より、配偶者控除および配偶者特別控除に関する制度改正が施行されます。

📌 配偶者控除・配偶者特別控除の改正内容

配偶者控除

  • 改正前:年収103万円以下で満額控除(38万円)
  • 改正後:年収123万円以下で満額控除(38万円)

配偶者特別控除

  • 改正前:103万円超201.6万円未満で段階的控除
  • 改正後:123万円超160万円以下で満額控除(38万円)、160万円超201.6万円未満で段階的減額

160万円超201.6万円未満では段階的に控除額が減少し、201.6万円を超えると控除対象外となります。

改正後は、配偶者の年収が123万円以下であれば、満額の配偶者控除が適用されます。

また、123万円を超えても160万円以下であれば、引き続き満額の配偶者特別控除を受けることが可能となります。

今回の制度改正により、「103万円の壁」による働き控えの影響が緩和され、配偶者が働きやすくなる環境が整いつつあります。

社会保険「106万円の壁」の廃止の内容と背景

「106万円の壁」については、2026年10月から段階的に撤廃されると報道されています。

「106万円の壁」とは、社会保険に加入するかどうかの目安となる年収ラインのことを指します。

📌 「106万円の壁」ってなに

これまでは、年収106万円を超えると社会保険料の負担が生じるため、あえて労働時間を抑える人もいました。これが「106万円の壁」と呼ばれるものです。

これまで、パートやアルバイトなど短時間労働者は、以下の条件をすべて満たす場合に限り、社会保険の加入対象とされていました。

✅ 社会保険の加入対象となる条件

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月収が約8.8万円以上(年収換算で106万円以上)
  • 従業員数101人以上の企業で働いていること など

この中の「年収106万円以上」の条件が、2026年10月から廃止される予定です。

つまり、年収に関係なく、週20時間以上働けば社会保険に加入する必要があるようになります(学生など一部を除く)。

家計と働き方への影響

この変更により、短時間労働者でも社会保険料の負担が生じる可能性がありますが、将来的な年金額の増加や医療保障の充実というメリットもあります。

📌 制度改正の時期とポイント

  • 配偶者控除改正:2025年12月1日施行
  • 社会保険改正(106万円の壁撤廃):2026年10月を目標として政府が検討中

配偶者控除の改正とあわせて、働き方や年収水準の見直しを行うことで、長期的な家計の安定につながる可能性があります。

これらの改正は、今後の働き方や社会保険への意識に大きな変化をもたらす可能性があります。

⚠️ 注意事項

2つの制度改正は実施時期が異なり、影響も異なります。配偶者の働き方を検討する際は、両方の制度を総合的に考えることが重要です。

国民健康保険と社会保険の違いとその仕組み

個人事業主やフリーランスが加入する国民健康保険国民年金保険は、定額制の保険料負担が特徴です。これに対し、マイクロ法人設立による保険料負担の比較を行うことが大切です。

国民健康保険の特徴

国民健康保険は、主に個人事業主やフリーランスなど、会社に勤務していない人々が加入する健康保険制度です。

国民健康保険に加入することで、どのような保障が受けられるのか、またその仕組みを理解することは、社会保険の選択肢を考える上で非常に重要です。

国民健康保険の仕組み

国民健康保険は、地域ごとの自治体が運営している保険です。

主に自営業やフリーランス、無職の方々が加入し、医療サービスを受ける際の負担を軽減します。

加入者は、保険料を自治体に支払うことで、病院の診察や治療にかかる費用の一部を負担してもらうことができます。

保険料の算定方法

国民健康保険の保険料は、前年の課税所得をもとに算出されます。

保険料の算出方法には自治体ごとの違いがあり、例えば所得額や家族構成によっても金額が変動することがあります。

このため、同じ所得であっても、住む地域によって保険料に差が生じることがある点に注意が必要です。

保険料の支払い方法

国民健康保険の保険料は、年に一度、自治体から送付される「国民健康保険料決定通知書」を基に、月々の支払いが求められます。

多くの場合、自治体では納付書を送付するため、指定の期日までに支払いを行う必要があります。

社会保険制度の特徴

社会保険は、主に企業で働く社員が加入する保険制度で、医療・年金・労働に関する保障を提供します。

マイクロ法人設立時には、自身がこの社会保険に加入することになるため、制度の全体像を把握しておくことが重要です。

社会保険の仕組み

社会保険制度は、健康保険や厚生年金、介護保険などから構成されており、病気、老後、労働災害、失業といったリスクへの備えとして機能します。

企業に雇用されている正社員や、一定条件を満たす非正規社員が対象であり、保険料は従業員と企業の双方が負担します。

企業は、従業員の給与から社会保険料を天引きし、その一部を企業側が負担します。

社会保険の主な種類

日本では、企業に勤めるすべての正社員および一定条件を満たす非正規社員に対して、社会保険の加入が義務付けられています。

📌 社会保険に含まれる保険制度

  • 健康保険: 医療費が発生した際に負担を軽減する制度
  • 厚生年金: 老後の年金を受け取るための保険
  • 介護保険: 高齢者や介護が必要な場合の支援をする制度
  • 労災保険: 仕事中の事故や怪我に対する保障
  • 雇用保険: 失業時に支給される手当などを支援する制度

マイクロ法人設立後、これらの社会保険制度に加入することが義務づけられます。

💡 健康保険と厚生年金の強み

健康保険は、治療費を3割負担で受けられるため、病気やケガの際に安心できる制度です。 厚生年金は、老後の年金を国民年金よりも手厚く受け取れるため、安定した生活を支える手助けになります。

社会保険料の算定方法

社会保険料は、標準報酬月額という仕組みを使って計算されます。これは実際の給与額を一定の等級に区分して決定される金額です。

✅ 標準報酬月額の仕組み

  1. **等級制:**給与額を50の等級に区分(健康保険・厚生年金)
  2. 月額範囲: 最低58,000円~最高1,355,000円
  3. 保険料率

    • 健康保険料率:協会けんぽ10.00%(都道府県により9.46%~11.19%で変動)

    • 厚生年金保険料率: 18.300%(全国一律)

    • 介護保険料率: 1.60%(40歳以上65歳未満のみ)


    ※保険料率は毎年見直される場合があります。
  4. 決定時期: 年1回(4~6月の給与平均)で見直し

国民健康保険と社会保険の比較

国民健康保険と社会保険の主な違いは、保険料の算出方法負担割合にあります。

社会保険では、保険料を企業と従業員が折半するため、自己負担額が軽減される点が大きなメリットです。

国民健康保険と社会保険の違い

社会保険は、主に会社員や公務員が加入する保険制度で、企業と従業員が保険料を分担する仕組みです。

一方、国民健康保険は自営業やフリーランス、無職の方々が対象で、保険料を全額自己負担する必要があります。そのため、所得に応じて負担感が異なる点も特徴です。

このように、加入者の立場や就業形態によって、制度の選択が家計に与える影響は大きく異なります。

加入対象者の違い

国民健康保険の加入対象者は主に自営業者、フリーランス、無職の方々です。

一方、社会保険は企業に勤務している社員や公務員が対象となり、企業が保険料の一部を負担します。

国民年金保険には、第1号、2号、3号の3つの被保険者種別があり、それぞれで保険料の負担方法や将来受け取る年金額に違いがあります。

📌 被保険者の種別と内容

  • 第1号被保険者

自営業者、農業者、学生、無職の方が該当します。自分で保険料を納める必要があります。

  • 第2号被保険者

**会社員や公務員の方が該当し、**職場で自動的に保険料が天引きされます。

  • 第3号被保険者

配偶者の年収が130万円未満であることが条件です。第3号被保険者は、社会保険料を支払うことなく年金受給資格を得ることができます。

第3号被保険者の場合、保険料の負担はありませんが、年金受給権は得られます。

マイクロ法人設立後は、社員としての扱いになり、社会保険への加入が必要になる場合が多いです。

年収別シミュレーション比較

マイクロ法人を設立する目的の一つは、社会保険制度に加入することで保険料の負担を抑えることです。実際に、年収400万円で40歳以上の個人事業主を例に、どの程度の負担差が生じるか見ていきましょう。

■個人事業主(国民健康保険)の場合

保険項目年額月額
国民健康保険料約37万円約3.1万円
介護保険料約7万円約0.6万円
国民年金保険料約20.4万円約1.7万円
負担額合計約64.4万円約5.4万円

■マイクロ法人設立後(役員報酬月45,000円)の場合

保険項目年額(実質負担)月額 (実質負担)
健康保険料約4.6万円約3,800円
介護保険料約7,200円約600円
厚生年金保険料約8.2万円約6,800円
負担額合計約13万円約1.1万円

上記の表は、健康保険料は協会けんぽの都道府県別料率(東京都の場合)をもとにした数字となり、お住まいの地域によって変動があります。

また、介護保険料の負担が発生するのは、40歳以上の場合のみで、40歳未満は負担はないため、さらに節約効果が大きくなります。

📌 保険料の一律負担

国民年金の保険料は、すべての加入者に対して一律で16,980円(月額)(2025年度)となっています。

所得に関係なく、誰もが同じ金額を負担する形です。

この計算例では年収400万円の個人事業主と比較していますが、年収が高いほど国民健康保険料との差額は大きくなる傾向があります。

マイクロ法人では法人負担分も実質的に社長が支払うため、上記では実質負担額で計算しています。社会保険料だけで年間約51万円の削減効果が期待できます。

⚠️ 重要なポイント

扶養家族がいる場合は、追加の保険料負担なしで家族も社会保険に加入できるため、さらに大きな節約効果が期待できます。

マイクロ法人設立のメリットとデメリット

マイクロ法人は社会保険料の最適化をはじめ、いくつかのメリットが存在する一方で、運営コストや制約もあります。

設立前にメリットとデメリットの両方を理解することが重要です。

マイクロ法人のメリット

社会保険料の節約を主目的とするマイクロ法人には、扶養親族の保険料負担軽減や手厚い保障など複数のメリットがあります。

ただし、これらのメリットを享受するには適切な運営と理解が不可欠です。

社会保険料の負担額を最低額にできる

最大のメリットの一つとして、社会保険料の最適化が挙げられます。マイクロ法人を設立すると、一人で代表取締役として社長となります。

📝 役員報酬を月額45,000円にする

マイクロ法人からは毎月定額(1年間固定)で45,000円の報酬を支払います。年間にすると54万円になります。

年間報酬額54万円から給与所得控除の55万円を差し引いた結果、課税所得はゼロとなり、実質的に所得税は発生しません

ただし、住民税の均等割(年額5,000円程度、自治体に応じて異なる)は別途発生する可能性があります。

このように、報酬額を調整することで税負担を抑えつつ、社会保険への加入要件を満たすことが可能となります。また、法人が社会保険料の半分を負担するため、個人事業主時代よりも自己負担額を軽減することができます。

扶養親族の保険料は0円

マイクロ法人設立により、扶養親族の保険料負担がゼロになります。

これは国民健康保険との大きな違いで、家族がいる方にとって非常に重要なメリットです。

📌 国民健康保険と社会保険の違い

  • 国民健康保険:世帯人数に応じて保険料が増加
  • 社会保険:扶養家族の人数に関係なく保険料は一定

受けられる医療サービスも従来と変わらず、病院での窓口負担は3割のままです。

年金についても国民年金と同等の給付を受けながら、扶養家族分の追加負担がないため、特に複数の家族を扶養している方には大幅な節約効果が期待できます。

手厚い保障が受けられる

2階建て年金制度や各種手当金など、個人事業主では受けられない充実した保障内容を受けることができます。国民年金に加えて厚生年金も受給できるため、将来の年金額が増加します。

また、「傷病手当金」や「出産手当金」といった現金給付制度も利用可能になります。

これらは会社の健康保険加入者のみが受給できる制度で、自営業・フリーランスの方は対象外となっているため、マイクロ法人設立により新たに利用できるようになる貴重な保障です。

☝ 注意点

会社員からフリーランスに転身した方の中には、**「傷病手当金や出産手当金が受けられなくなるとは知らなかった!」**という声もありますので、その点には注意が必要です。

近年では、一部の自治体が会社の社会保険制度に類似した手当金制度を導入したり、負担額が減少する傾向も見られます。

ただし、依然として会社の社会保険に加入している場合の方が、手厚い保障を受けられるのが現状です

マイクロ法人のデメリット

マイクロ法人を設立した結果、「思ったほどお得じゃない」「理想と違って困惑した」という声も少なくありません。

実際、デメリットを十分に理解しないままで設立を決断すると、後で後悔する可能性もあります。

マイクロ法人設立を検討する際に押さえておきたいデメリットを解説します。

法人税と運営コストの負担

マイクロ法人を設立すると、法人税が発生しますが、赤字であっても最低額の地方税が課せられるため、注意が必要です。

法人税は赤字でも最低7万円の地方税が必ず発生します。

これに加えて法人税の確定申告が必要となり、個人の申告よりも手間と時間がかかります。

💡 追加コスト

法人設立に伴い、税理士に依頼するコストが増えます。確定申告に必要な書類も増えるため、経費負担が増える点も留意すべきです。

法人設立にコストがかかる

合同会社設立に必要な最小法定費用は登録免許税6万円ですが、定款認証費用(公証人手数料)や印紙代(約4,000円)などの追加費用が必要となります。

合計費用は約7万円以上となるため、設立を決める前にしっかりと費用面を確認しておくことが重要です。

自己負担の増加

マイクロ法人では、法人と個人の社会保険料を折半しますが、実質的に社長が全額を負担することになります。

つまり、法人負担分も最終的には自己負担になるため、思ったほど負担が軽減されるわけではありません。

事業拡大や副業には適さない

マイクロ法人は、主に社会保険料の節約を目的とした法人形態であり、事業拡大を目指して法人化することには向いていません

事業規模が大きくなると、節税効果が薄れる可能性があり、事業拡大のために法人化するのではなく、あくまで社会保険料軽減のために活用すべきです。

また、すでに本業で社会保険に加入している場合、副業でマイクロ法人を設立しても、社会保険料が重複して支払われることになり、実質的なメリットがなくなる可能性が高いため、副業での利用は効果的ではないと言えるでしょう。

⚠️ 総合的な判断が重要

マイクロ法人の設立は、メリットもあればデメリットもあるため、個々の状況に応じた判断が求められます。設立を検討する際は、専門家に相談し、社会保険料の削減だけでなく、運営コストや税金面の影響も含めて総合的に評価することが重要です。

マイクロ法人設立の最終判断

マイクロ法人設立の判断には個人の事業状況や家族構成など多くの要因が関わるため、慎重な検討が必要です。これまで解説してきたメリット・デメリットを踏まえ、最終的な判断のポイントをまとめます。

結局作ったほうがいいのか

設立を検討する際の最終的な判断基準と、個々の状況による違いを理解することが重要です。

📌 どんな人がマイクロ法人に向いているか

向いている方

  • 扶養家族が複数いる個人事業主
  • 安定した収入があり、法人運営コストを負担できる方
  • 税務・会計処理を適切に管理できる方
  • 年収が300万円以上で国民健康保険料の負担が重い方

向いていない方

  • 既に会社員として社会保険に加入している方
  • 将来的に事業拡大を計画している方
  • 収入が不安定で法人運営コストの負担が困難な方
  • 年収が低く、国民健康保険料がもともと安い方

ここまで見てきたメリット・デメリットを踏まえても、「作るべきか、作らないべきか」の答えは一律ではありません。

確実にメリットを享受できる人もいれば、あまり恩恵を感じられない人もいます。

💡 個別判断の重要性

判断は個々の事業内容や家族構成、将来の事業計画によって変わります。そのため、最終判断は専門家と相談しながら、自身の状況に即した形で行うことが重要です。

検討すべきポイント

マイクロ法人を設立するには、やるべき手続きが多く、費用も発生します。

また、スキーム自体が非常に複雑な構造をしているため、「自分には得になるか損になるか」を簡単に判定できるものではありません。

判断のための重要な要素

以下の要素を総合的に検討することが欠かせません。自己診断しやすいよう、判断項目をチェックリスト形式にまとめました。

判断項目自分の状況(はい/いいえ)補足説明
現在の年収と家族構成私は扶養家族が2人以上いる/いない扶養が多いほど社会保険料の軽減効果が大きく、扶養3人なら年額数十万円単位の削減も可能
現在の保険料負担額私は国民健康保険料の負担が重い(年収300万円以上)/そうでもない所得が高いほど保険料率が上がるため、法人化による負担軽減効果が期待できる
将来の事業展開予定私は事業拡大の予定がない/ある小規模維持なら仕組みを活かせるが、拡大すれば制度メリットが減少
税務・会計処理への対応力私は会計処理を自分で行える、または税理士に依頼できる/できない法人運営には決算書や法人税申告が必須で、知識または外注費用が必要
初期投資と継続コストの負担能力私は設立費用や税理士費用を負担できる/できない登録免許税・定款認証料・顧問料など固定費が発生する
手続きの煩雑さへの対応力私は登記や申告などの手続きに対応できる/できない法人は届出や申告が複雑で、個人事業より負担が大きい

「良さそうだから」と即決で法人を作るのはリスクがあります。本当に社会保険料削減以上の効果が得られるのか、経費や手間で逆に損をしないかを冷静に検討しましょう。

可能であれば、専門家に相談し、ご自身の状況に応じたシミュレーションを行うことをおすすめします。

まとめ

マイクロ法人設立は、個人事業主やフリーランスにとって社会保険料負担を軽減できる有効な手段の一つです。

特に扶養家族が多い方や年収が高い方には、大きな節約効果が期待できます。

しかし、法人運営には一定のコストと手間がかかるため、メリットとデメリットを慎重に比較検討することが重要です。

検討のポイント再確認

  • 家族構成:扶養家族が多いほどメリット大
  • 年収水準:300万円以上で効果を実感しやすい
  • 事業計画:小規模維持が前提
  • 運営能力:税務・会計処理への対応力
  • コスト負担:初期費用と継続費用の許容範囲

最終的な判断は個々の状況によって異なるため、専門家への相談やシミュレーションを通じて、自身にとって最適な選択を行うことをおすすめします。

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