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年収の壁と税制・社会保険の落とし穴

「年収の壁」とは働く人の税や社会保険料に影響を与える収入の境界線です。

「壁」と呼ばれる理由は、皆さんの収入がその壁を超えることで税や社会保険の負担が生じるため、手取りが少なくなってしまうためです。

「壁」には重要なものもあれば、それほど重要では無い(負担が少なくて済む)ものもありますので、要領よく働くことで壁をすんなりと超えて世帯収入を安定的に増やすことも可能です。

Contents

目次

  1. 年収の壁とは?
  2. 特定扶養親族が注意すべき点
  3. 働き控えが生む問題
  4. 年収の壁を意識した最適な働き方
  5. 選択してはいけない非効率な働き方と解決策
  6. 年収の壁「178万」提案の影響
  7. まとめ

年収の壁とは

日本の「年収の壁」とは、収入に応じて税金や社会保険料の負担が増加したり、家族の扶養条件から外れたりする境界を指します。

なお、ここで説明している**「年収」とは「給与収入」**を指しますので、個人事業主・フリーランス等の事業所得がある方は当てはまらない可能性がありますのでご注意ください。

100万円の壁:重要度☆☆

100万円の壁は、本人に地方税(住民税)が課される基準です。年収100万円を超えると、住民税が課されます。住民税は基本的に自治体によりますが、最低課税額の非課税基準が「年収100万円以下」とされる場合が多いです(給与所得者の場合、所得控除の関係で100万円=住民税非課税ライン)。

📌 影響
住民税が発生すると、手取りが若干減ります。

103万円の壁:重要度☆☆☆☆

103万円の壁は、本人に所得税が課される基準です。年収103万円というのは「給与所得控除(55万円)+基礎控除(48万円)の合計103万円」までは収入があっても所得税は非課税ということを指します。このため、年収103万円を超えると、超えた分に対して所得税が課されます。

控除の活用
103万円を多少超えたとしても生命保険料控除や医療費控除などを活用することで、本人の税額を0円にすることは可能です。

103万円の壁の落とし穴

103万円の壁で注意したいのは、本人の税だけでなく、世帯主の各種控除に関わる点です。所得税の扶養控除・配偶者控除は、世帯主に扶養される人の年収が103万円以下であることを要件としております。

配偶者控除は配偶者特別控除により段階的に控除が受けられるので救済措置がありますが、扶養控除は扶養される人の年収が103万円を超えると、世帯主が一切控除が受けられなくなるので要注意です。

区分控除額年収500万円の世帯主の税効果(所得税率10%)年収700万円の世帯主の税効果(所得税率20%)
一般の扶養親族38万円38,000円76,000円
特定扶養親族63万円63,000円126,000円
老人扶養親族(同居外)48万円48,000円96,000円
老人扶養親族(同居)58万円58,000円116,000円

🎓 大学生のアルバイト注意
特に、大学生(19歳~23歳)を扶養していると、世帯主は63万円の控除が受けられますが、大学生がアルバイトで年収103万円を超えてしまうと世帯主の控除は0円となるため、数万円の税金が増えてしまうことになります。

📌 影響
本人の税負担が発生し、扶養親族の条件に該当しなくなります。

106万円の壁:重要度☆☆☆☆

106万円の壁は、本人の社会保険料(厚生年金・健康保険)の加入基準に関連します。年収106万円以上かつ以下の条件を満たす場合、勤務先で社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する必要があります。

社会保険料の加入基準

  • 週20時間以上働いている
  • 雇用期間が2ヶ月以上見込まれる
  • 所定内賃金が月額8.8万円以上
  • 学生ではない
  • 従業員51人以上の企業に勤めている(令和6年10月から) ※従業員51人以下の中小企業でも、今後適用範囲を拡大する予定

大企業や比較的規模の大きい中小企業に勤める、年収106万円≒88,000円以上の月収があるパート・アルバイトの方は給与から社会保険料が天引きされるため、手取りが大きく減少します。

📝 具体的な負担額(東京都の場合)
東京都内の会社に勤める方の場合、月給が88,400円の方が天引きされる社会保険料は、以下の合計13,147円となり、年間で157,764円の負担増となります。
・健康保険料:4,391円
・介護保険料(40歳以上のみ):704円
・厚生年金保険料:8,052円

なお、103万円の壁を超えているため所得税が発生しますが、天引きされる社会保険料は控除対象となるため、年収106万円の人の税額は0円となります。

📌 影響
社会保険料を本人が負担する場合、手取り収入が減少します。ただし、厚生年金や健康保険に加入することで、将来の年金受給額が増えるなどのメリットもあります。

130万円の壁:重要度☆☆☆☆☆

130万円の壁は、世帯主の扶養に入っている配偶者(第3号被保険者、いわゆる主婦年金)が、扶養から外れて自分で社会保険に加入しなければならない基準です。

106万円の壁に該当しない、中小企業に勤める方やフリーランス・個人事業を営む配偶者が年収130万円を超えると、第3号被保険者から外れるため、自分で社会保険に加入する必要があります。

第3号被保険者は、社会保険料の負担無しで配偶者の将来の年金が保障されるという、非常に手厚い制度です。

最も重要な社会保険の壁

0円だったものが一気に年間十数万円の負担が増加するため、年収の壁の中では最も影響が大きいとされています。年収130万円≒108,400円以上の月収があるパート・アルバイトの方は給与から社会保険料が天引きされるため、手取りが大きく減少します。

📝 具体的な負担額(東京都の場合)
東京都内の会社に勤める方の場合、月給が88,400円の方が天引きされる社会保険料は、以下の合計16,434円となり、年間で197,208円の負担増となります。
・健康保険料 5,489円
・介護保険料(40歳以上のみ) 880円
・厚生年金保険料 10,065円

📌 影響
年収130万円を超えると本人が社会保険料を負担するため、手取りが大きく減少します。

150万円の壁:重要度☆☆

150万円の壁は、配偶者特別控除の段階的減額ラインの1つです。**配偶者控除(38万円)**は、配偶者の年収が103万円以下の場合に満額適用されますが、配偶者の年収が103万円を超えても150万円までは、段階的に減額されながら適用されます(配偶者特別控除)。

年収150万円を超えると、配偶者特別控除がさらに減額され、201万円で完全に適用外となります。

配偶者特別控除

配偶者の合計所得金額が48万円~95万円(年収103万円~150万円)かつ、世帯主の所得が900万円以下であれば世帯主が請ける配偶者特別控除は、通常の配偶者控除と同じ38万円となります。

配偶者の合計所得金額世帯主の所得900万円以下世帯主の所得900万円超950万円以下世帯主の所得950万円超1,000万円以下
48万円超 95万円以下38万円26万円13万円
95万円超 100万円以下36万円24万円12万円
100万円超 105万円以下31万円21万円11万円
105万円超 110万円以下26万円18万円9万円
110万円超 115万円以下21万円14万円7万円
115万円超 120万円以下16万円11万円6万円
120万円超 125万円以下11万円8万円4万円
125万円超 130万円以下6万円4万円2万円
130万円超 133万円以下3万円2万円1万円

📌 影響
世帯全体での控除額が減少し、配偶者の収入次第では税負担が増えます。

201万円の壁:重要度☆

201万円の壁は、配偶者特別控除の適用が完全になくなるラインです。配偶者の所得が133万円を超える(年収201万6,000円)を超えると、配偶者特別控除の適用が完全になくなります。配偶者特別控除が適用されないため、世帯全体で税負担がさらに増えます。

📌 影響
世帯全体で見た場合、配偶者の年収が201万円を超えると税負担が大きくなる可能性があります。ただし、扶養控除がなくなる代わりに、配偶者が自分自身で収入を増やす選択肢が増えます。

🎁 壁の攻略法
「年収の壁」をどう突破するかは、収入、ライフスタイル、家族構成などによって異なりますが、それぞれのメリット・デメリットを把握して計画を立てることが重要です。

特定扶養親族が注意すべき点

特定扶養親族とは、扶養控除の対象となる親族のうち、**16歳以上23歳未満(大学生や専門学生が中心)**を指します。特定扶養親族は、通常の扶養控除よりも控除額が大きく設定されており、税負担軽減効果が高い一方で、注意すべき点も多いです。

📌 特定扶養親族の控除額
所得税控除額:1人あたり63万円(通常の扶養控除は38万円)
住民税控除額:1人あたり45万円(通常は33万円)

⚠️ 年齢制限に注意
子の年齢が16歳以上23歳未満(その年の12月31日時点での年齢)であること
子の年齢が23歳になると特定扶養親族から外れるため、控除額が38万円に下がります。あらかじめ子の年齢を確認した上で翌年の税額増加を予測しておく必要があります。

特定扶養親族の収入要件

特定扶養親族である子がアルバイトなどで収入を得ている場合、その収入が一定基準を超えると扶養控除の対象外となります。

📌 扶養控除が適用される収入条件
・年間の所得が48万円以下(年収103万円以下)
子の年収が103万円を超えると、扶養控除の対象外になり親の税負担が増加します。特に大学生の長期休暇中のアルバイトや副業で103万円を超えないよう収入を調整する必要があります。

特定扶養親族の条件が外れる場合の影響

特定扶養親族が収入条件を超える、あるいは23歳を迎えると、親の所得税控除額が63万円(特定扶養親族)が38万円(一般扶養控除)または0円(扶養対象外)に減少します。親の税負担が増加するため、世帯全体の手取り収入が減少します。

子自身の確定申告の必要性

特定扶養親族である子がアルバイトなどで年収が103万円を超えた場合、確定申告が必要になります。確定申告を怠ると税務上のペナルティが生じる可能性があるため、必ず確定申告を行いましょう。

💡 申告の重要性
アルバイト先で年末調整を受けていない場合や、複数の勤務先がある場合は、確定申告を正確に行う必要があります。子が確定申告をしていないと親の扶養控除に影響が出る場合があるため、両者の収入報告を一致させることが重要です。

子が20歳以上の場合の注意点

子が20歳以上の場合、扶養控除の検討以外に、社会保険の適用についても注意が必要です。20歳を迎えると全ての国民は国民年金の被保険者となるため、国民年金保険の納付が必要となります。

学生の間は**「学生納付特例制度」**により卒業後に納付することができます(免除ではありません)。また、子の年収が130万円を超えると子が自分で社会保険(健康保険または国民健康保険)に加入しなければなりません。

⚠️ 社会保険の扶養
子がアルバイトや契約社員として働き始め、年収が130万円を超えると社会保険(健康保険)の扶養から外れます。これにより、健康保険の加入が必要になり、子自身の負担が増加します。

子の奨学金と収入の関係

特定扶養親族が奨学金を受け取っている場合、アルバイト収入が一定額を超えると奨学金の返還義務や支給停止のリスクがあります。

奨学金の条件確認
奨学金の受給条件を確認し、収入を調整することが必要です。特に、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金では、年間のアルバイト収入が規定を超えると返還義務が生じることがあります。

🎁 計画的な管理
特定扶養親族の控除は親の税負担を軽減する制度です。子供の収入が103万円以下、社会保険の扶養範囲内の年収130万円未満を意識し、扶養から外れるタイミングを予測して家計全体の影響を計算しましょう。

働き控えが生む問題

働き控えとは、特にパートタイムで働く人(主に主婦層)が、年収の壁を意識して働く時間や収入を抑える行動を指します。働き控えによる影響は下記のとおりです。

労働力不足の加速

日本の少子高齢化問題と相まって、労働人口が不足しています。特に女性の活躍推進が求められている中で、働き控えは女性の社会進出を妨げる要因となっています。

世帯収入の停滞

壁の影響で収入を抑えるため、世帯全体の収入が停滞することがあります。世帯収入が低いままだと、貯蓄不足や老後資金の準備が進まず、将来的な生活不安につながります。

キャリア形成の停滞

働き控えによりフルタイムでの勤務やスキルアップの機会が失われ、長期的なキャリア形成が難しくなるケースがあります。

最低賃金との関連

近年、最低賃金が年々引き上げられている一方で、年収の壁の基準は大きく変化していません。これにより、最低賃金の上昇がパートタイム労働者にとって収入調整の負担を増やす結果となっています。

具体例
例えば、時給1,200円の地域で月80時間働くと、年間収入が103万円を超える可能性が高まります。このような状況は、労働者の意欲を削ぐだけでなく、雇用の柔軟性を損なう恐れもあります。

年収の壁を意識した最適な働き方

年収の壁を超えるか、壁の手前でとどまるかは、個人のライフステージや目標、家庭環境(配偶者の収入や扶養者の有無など)によって異なります。それぞれの条件に応じた「労力と対価が釣り合う」働き方をご紹介します。

壁を「超えない」場合の働き方

あえて壁を超えずに働くことにより、税金や社会保険料の負担を避け、手取り収入を最大化できたり、家族扶養(特に配偶者控除や社会保険の扶養)を維持することができます。

年収103万円以下に抑える働き方

稼働時間:約71時間/月(時給1,200円の場合)

📌 メリット・デメリット
メリット:所得税がかからず、配偶者控除が満額適用されます。
デメリット:年間の稼ぎが少なく、働ける時間が限られる。

年収130万円未満に抑える働き方

稼働時間:約90時間/月(時給1,200円の場合)

📌 メリット・デメリット
メリット:扶養内で社会保険料の負担がなく手取りを確保できる。
デメリット:稼働時間の上限を気にする必要があるため、シフトや働き方に柔軟性が持ちづらい。

壁を「超える」場合の働き方

年収の壁を超える働き方は、短期的な負担増だけでなく、長期的な収入増や社会保険の充実といったメリットもあります。106万円、150万円、201万円を超える際の働き方や収入設計のポイントを具体的に解説します。

年収106万円以上にする働き方(51名以上の企業に勤める人)

稼働時間:約73時間/月(時給1,200円)
社会保険料の負担を考慮した上で、壁を気にせず働く選択肢です。フルタイムではなくても、安定したパートや契約社員として働ける業務を選ぶと効率的。

年収150万円を目指す働き方

稼働時間:約104時間/月(時給1,200円)
配偶者特別控除が段階的に適用されるため、税負担は増えますが、収入増でカバーできます。

年収201万円を超える働き方

稼働時間:約139時間/月(時給1,200円)
配偶者特別控除がなくなりますが、自身の収入が十分に増え、社会保険の保障も手厚くなるため、世帯全体での収入増が見込めます。

年収の壁を気にせず「効率よく稼ぐ」ポイント

年収の壁を超えても手取りを最大化するには、賢い働き方が重要です。高単価な仕事や副業の活用、収入管理を徹底し、長期的な利益を見据えた選択をしましょう。

高単価な仕事を選ぶ

時給1,200円以上を目安に、高時給の職種を選びましょう。

💡 おすすめ職種
専門スキルが求められる事務職、プログラミング、デザイン、オンライン講師など。

副業や在宅ワークを活用する

スキマ時間を利用して、フリーランスや副業を取り入れるのも有効です。

✍️ 在宅ワークの例
ライティング、翻訳、データ入力などの在宅ワークは柔軟性が高いため、ライフスタイルに合わせて稼働時間を短縮しつつ、高収入が得られる可能性があります。

収入管理を徹底する

壁を超えそうな場合、収入を予測しつつ労働時間を調整しましょう。

年間計画の重要性
例えば、12月に働きすぎて年収が壁を少しだけ超えると、結果的に手取りが減ることもあるため、年間計画を立てることが重要です。

長期的なメリットを考慮する

社会保険に加入することで、将来の年金額が増加し、老後の安定が得られます。そのため、負担が増える年収の壁を「将来への投資」として捉えることができます。

ライフスタイル別の最適プラン

年収の壁を意識しながら働く場合、ライフスタイルや将来の目標に合わせた働き方の選択が重要です。以下では家庭と両立したい方、キャリアを重視したい方、自由な時間を確保しつつ稼ぎたい方に分け、それぞれの最適な収入プランを具体的に提案します。

扶養を維持しながら家庭と両立したい場合

130万円未満で、働く時間を抑えつつ効率的に働きましょう。

目安時間
月108時間以内、時給1,200円以上の仕事を選びましょう。

長期的にキャリアを形成したい場合

130万円以上でフルタイムに近い働き方を選択しましょう。

💰 キャリア重視
契約社員や正社員のように安定した立場で働き、将来の年金や保障を重視します。

自由な時間を確保しつつ稼ぎたい場合

在宅ワークやフリーランスで、収入の調整がしやすい働き方を選びましょう。壁を意識しつつ、プロジェクト単位での収入増加を狙うのも効果的です。

🎁 計画的な働き方
年収の壁を意識した働き方は、短期的な扶養内か長期的な収入増を選ぶかで異なります。ライフスタイルや目標に応じた最適な選択ができるよう、しっかり計画を立てましょう。

選択してはいけない非効率な働き方と解決策

年収の壁を意識しながら働く場合、以下の働き方は労力と対価が釣り合わない「非効率な選択」となります。これを避けることで、手取り収入を最大化し、長期的なメリットを享受できます。

年収の壁を「少しだけ」超える働き方

年収が130万円の壁を わずかに超えて135万円 程度になる場合や、年収が106万円の壁を 少しだけ超えて110万円 程度になる場合は社会保険への加入義務が発生するラインを超えてしまい、手取り額に損が発生します。

問題点

  1. 急激な社会保険料負担の発生
    年収130万円を少し超えるだけで、扶養を外れ、自分で社会保険料を負担する必要があります。これにより手取り収入が大幅に減少します。社会保険料の負担額は年間約20~30万円程度になるため、収入の増加分を大きく上回ります。
  2. 手取りが増えない逆転現象
    増えた年収以上に負担が増え「働いた分だけ損をする」という状況に陥ります。

💡 解決策

  1. 壁の手前でとどめる
    扶養を維持したいなら、年収130万円未満(または106万円未満)に抑えましょう。
  2. 大きく壁を超える
    扶養を外れるなら、年収150万円以上、できれば180万円以上を目指しましょう。これにより、負担を上回る手取り増が期待できます。

時給が低い仕事で壁ギリギリまで働く

時給850円や900円など比較的低い時給で、壁ギリギリの103万円や130万円に収めるために長時間働くことは、あまりおすすめできません。効率が悪く、労力に対する収入のバランスが取れなくなる可能性があります。

問題点

  1. 時間対効果が悪い
    時給が低いと、同じ年収を稼ぐのに多くの労働時間が必要です。壁の範囲内で働ける時間は限られているため、結果として生活に余裕がなくなる可能性があります。
  2. 体力的負担が大きい
    長時間労働で得られる対価が小さく効率が悪いため、家事や育児と両立が難しくなる場合も多いです。

💡 解決策

  1. 高時給の仕事を選ぶ
    時給1,200円以上を目指すことで、短時間で壁に近づけます。
  2. スキルアップで時給を上げる
    資格取得や特定スキル(事務、IT、英語など)を活用する仕事を選択することで問題点を回避できます。

フルタイムで働けるにもかかわらず壁を意識する働き方

フルタイムで働き、年収150万円程度を目指しているものの「年収201万円の壁」を気にして労働時間を減らすことも非効率的な働き方といえます。収入増加の機会を逃し、長期的なメリットが得られにくくなる可能性があります。

問題点

  1. キャリアアップのチャンスを逃す
    壁を気にして労働時間や責任の範囲を抑えることで、昇給や昇進の機会が減少します。特にフルタイム契約や正社員のメリットを十分に活用できない状況に陥ります。
  2. 長期的に不利になる
    将来の年金や保障のために社会保険に加入しているのに、収入を抑えることでその恩恵を十分に受けられない可能性があります。

💡 解決策

  1. 年収201万円以上を目指す働き方に転換
    年収の壁を超えたら、負担を気にせずキャリアアップに集中できます。
  2. 短時間のパートではなく高単価・成果型の仕事を探す
    リモートワークや成果報酬型の仕事なら、壁を気にせず働けます。

労働時間に柔軟性がない職場で、壁を意識する働き方

シフト調整が難しい職場では、年末になって急に年収の壁を超えそうになり、収入を調整するために無給休暇を取るケースもあります。計画的な働き方が難しくなり、労働時間や収入のバランスが崩れる恐れがあります。

問題点

  1. 労働者としての権利が軽視される
    壁を理由に休暇を強制されたり、シフトが調整できず無理に働かされる場合があります。
  2. 計画的に収入を管理できない
    年間の収入を事前にコントロールできないため、無駄な働き控えが発生します。

💡 解決策

  1. 柔軟な働き方が可能な職場を選ぶ
    シフト調整が自由なパートやフリーランスの働き方を検討しましょう。
  2. 収入予測を事前に計算
    年末調整を見据え、年間を通じて収入を均等に配分することが重要です。

🎁 重要なポイント
年収の壁を「悪い制限」と捉えるだけでなく、壁の手前で最大限の効率を追求するか、壁を思い切り超えて収入を増やす方向に転換することが重要です。働き方を選ぶ際は、短期的な収入だけでなく、長期的なキャリアや家計全体のバランスを考慮しましょう。

年収の壁「178万」提案の影響

国民民主党が提案している 「年収の壁を178万円に引き上げる」 改革が実現すると、以下のような変化や影響が考えられます。これは、特に年収130万円や150万円の壁を意識して働いている人々に大きな影響を与えるでしょう。

扶養内で働ける収入の上限が拡大

扶養控除の適用基準が178万円まで引き上げられる場合、以下の変化が期待されます。

📌 扶養内で働ける年収が増える
現行では「103万円未満」の年収が条件となっている扶養控除が、178万円まで拡大します。これにより、扶養の範囲内で年収を抑えるための「働き控え」をしなくても、年間の労働時間を増やして収入を得ることが可能になります。

社会保険に関する注意点

令和6年12月現在で議論されている年収の壁はあくまでも**「所得税」**に関する議論です。社会保険に関する年収の壁(106万円の壁、130万円の壁)については、所得要件を引き上げるという議論はされておりません。

つまり、年収178万円まで働いて、所得税は非課税になったとしても、社会保険は規定通り差し引かれるため、178万円全てが手取りになるわけではないという点は注意が必要です。

今後の予測
社会保険については適用範囲を拡大していく=壁をどんどん下げていく方針ですので、今後は働く人のほとんどが社会保険を徴収されるようになっていくのではないかと予想されます。

家計全体の収入増加

配偶者が扶養内で働きながらも年収を増やせるため、家庭全体の収入が増加します。特に、子育て世代や老後資金を貯めたい世帯にとって、働ける時間が増えることは大きなメリットとなります。

💡 経済効果
家計の可処分所得が増えることで、生活費や趣味・娯楽に使えるお金が増え、国内の消費活動が活発になる可能性があります。

働き控えの解消

現行の年収の壁(特に130万円の壁)が理由で働き控えをしていたパートやアルバイトの人々が、収入の上限を気にせず働けるようになります。これにより、特に労働力不足が深刻な業界(サービス業、介護、医療など)で働く人手が増えることが期待されます。

社会的な意識の変化

壁が引き上げられることで、働き控えの概念そのものが薄まり、壁を意識しない自由な働き方が進む可能性があります。特に女性の労働市場への参加が増え、男女共働き世帯の増加が期待されます。これにより、所得格差の縮小やライフプランの選択肢が増える可能性があります。

🎁 制度の理解
年収の壁や税制・社会保険の仕組みを理解し、効率的な働き方を意識することが重要です。特定扶養親族の条件や制度改正の動向にも注意し、賢く対策を立てましょう!

まとめ

年収の壁は税だけでは無く、社会保険の面からもしっかりと検討しなければ働き損になってしまう可能性がある制度です。税負担よりも、むしろ社会保険の負担の方が手取額に影響するため、106万円の壁・130万円の壁は特に意識しなければいけないでしょう。

今後は年金制度・健康保険制度の維持のため、社会保険の適用範囲はさらに拡大していくことが予想されます。

🎁 将来への備え
いずれは106万円の壁・130万円の壁自体が無くなり、働く人全員が社会保険に加入するということも現実的な話となってきています。そうなったとき働き方を変えたくても変えられないということにならないよう、壁を意識しすぎてキャリア形成の機会を逃さないように長期的な働き方を模索していくのが良いかもしれません。

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