専従者給与・控除を使用した節税
自営業を営んでいる方は、家族や親族を従業員にして給与を払いたいと思ったことはありませんか?
他人に給与や外注費を支払って業務を手伝ってもらうことはよくありますが、外部に資金が流出してしまうので、できるだけ家族や身内で業務が完結するとコストがかからないでしょう。
しかし、基本的に家族や親族に対する給与は経費として認められません。
ところが、「青色事業専従者給与」「事業専従者控除」という制度のもと、一定の要件をクリアすると家族に支払う給与を経費として認めてもらえます。
「青色事業専従者給与」は青色申告特別控除と同様に青色申告者だけが使えるオススメの節税の一つです。
白色申告の方でも「事業専従者控除」の特例は使えますので、あきらめずに確認してみましょう!
Contents
青色事業専従者給与と事業専従者控除について

概要
生計を一にしている配偶者その他の親族が納税者の経営する事業に従事している場合、納税者がこれらの人に給与を支払うことがあります。
これらの給与は原則として必要経費にはなりませんが、次のような特別の取扱いが認められています。
📌 青色申告者の場合
一定の要件の下に実際に支払った給与の額を必要経費とする青色事業専従者給与の特例
📌 白色申告者の場合
事業に専ら従事する家族従業員の数、配偶者かその他の親族かの別、所得金額に応じて計算される金額を必要経費とみなす事業専従者控除の特例
⚠️ 重要な注意点
青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける人または白色申告者の事業専従者である人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。
特に事業を立ち上げる時は、従業員を採用する余力もないため家族と一緒に事業をするケースが多いと思います。
事業活動をしていればいつでも始めることができるので、家族に手伝ってもらっている場合は、給与を支払って経費計上しましょう。
青色事業専従者給与の概要

青色事業専従者給与は、青色申告者である個人事業主のみ使える特典で、白色申告の個人事業主や法人では使えない制度となります。
生計を一にする配偶者・親族に対する給与は、たとえお金を支払ったとしても必要経費とはなりませんが、要件を充たせば必要経費として認められます。
青色事業専従者給与として認められる要件は、次の4つです。
✅ 『青色事業専従者給与』として認められる要件
- **「青色事業専従者」**に支払われた給与であること
- **「青色事業専従者給与に関する届出書」**を提出していること
- 届出書に記載されている方法により支払われ、かつ、その記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。
- 青色事業専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること。
要件を一つずつ確認していきましょう。
1.青色事業専従者に支払われた給与であること
青色事業専従者給与とは、**「青色事業専従者」**に支払われた給与を指します。
**「青色事業専従者」**の要件は以下のとおりです。
✅ 『青色事業専従者』の要件
- 青色申告者と生計を一にする配偶者やその他の親族であること
- その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
- その年を通じて6ヵ月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
生計を一にする配偶者やその他の親族
対象となるのは、生計を一にする配偶者やその他の親族です。
もちろん、親族でない人は対象になりませんし、親族であっても生計が別の場合も対象となりません。
生計が別の親族に支払う給与は、親族外に支払う給与と同じく青色事業専従者給与ではなく通常の給与として必要経費にすることが可能です。
「生計を一にする」とは?
「生計を一にする」とは、日常生活の財産を共にすることをいいます。
イメージとしては、生活費を一つの財布でまかなっている家族は「生計を一にしている」に該当します。
たとえば夫婦それぞれに収入がある場合、生活費をお互いの財産から工面しているときは、「生計を一にする」に該当します。
「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではありません。
例えば、勤務、通学、療養等の都合上別居している場合であっても、休日には実家に帰省している場合や、常に生活費、学費、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
なお、親族が同居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
💡 生計を一にしているケース
- 共働きの夫婦が財布を分けずに家計を管理している場合
- 別居の家族に生活費や学費を送金している場合
- 同居の親族が同じ家計の中で生活している場合
「生計を一にしない」とは?
一方で、年齢や血縁関係だけで「生計を一にする」には該当することはありません。
親子が同じ建物に居住していても、生活空間を分け、それぞれの収入から支払っている場合、生計を一にしているとはいいません。
💡 生計を一にしないケース
- 二世帯住宅の親子が家計を別にしている場合
- 年金で生活している親に送金をしていない場合
- 同居の親族が別々の家計で生活している場合
6か月を超える期間、専ら従事していること
1月1日から12月31日までの期間で確定申告をする場合は、最低でも6か月超は事業に専ら従事している必要があります。
年の途中から開業した場合や、年の途中から専従者がいることになった場合は、それ以降から12月31日までの期間の1/2を超える期間、専ら従事している必要があります。
「事業に専ら従事する」とは
読んで字のごとく、専従者=専ら従事する者ということです。具体的な要件については法令に規定されています。
年の半分である6か月は専ら従事してくださいと規定されています。
ただし、下記の理由により年中を通じて従事できなかった場合は1/2の期間でよいとされます。
- 従事者の死亡
- 長期にわたる病気
- 婚姻
- その他相当の理由
また、以下の人は専ら従事しているとは言えないということになります。
- 学生
- 他に仕事をしている人
- 仕事をするのが困難な人
📎 専従者の事例
例えば、青色事業者が税理士事務所を営んでおり、子どもが青色事業専従者として事業を手伝っていましたが、子どもが税理士を目指すといって6月より事業を手伝わなくなってしまった場合、その年を通じて6月を超えて従事していませんので1月から5月まで支払った青色事業専従者給与の必要経費への算入は認められないことになります。
子どもが事業を手伝っていたところ、他の会社に就職する、結婚して生計が一でなくなる、病気で入院するなどで6月から事業を手伝うことができなくなってしまった場合などは、1月から5月まで支払った青色事業専従者給与は必要経費に算入が認められます。
資格試験を目指すといったような、青色事業者の事業に従事することが可能であるのに従事しない場合は必要経費に算入はできませんが、従事することができなくなってしまった場合は必要経費に算入できると考えていただければよいと思います。
⚠️ 副業はダメ?
専ら従事とは言えない場合について、他に仕事をしている人が該当します。
しかし、法令では下記のとおり記載されています。
二 他に職業を有する者(その職業に従事する時間が短い者その他当該事業に専ら従事することが妨げられないと認められる者を除く。)
つまり、本業が短時間労働者(パートタイマーやアルバイト等)であるなど、事業の専従に支障がない状態であれば問題はないとされます。
2.「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出していること
青色事業専従者給与を支払う場合、**「青色事業専従者給与に関する届出書」**を所轄の税務署に提出する必要があります。
提出期限はその年の3月15日までとなります。
ただし、その年の1月16日以後に開業した人や新たに専従者がいることとなった人は、その開業の日や専従者がいることとなった日から2か月以内です。
⚠️ 期限後の提出は一切認められませんので、期限厳守です。
⚠️ さかのぼりはできません!
青色申告申請書や青色事業専従者給与の届出書を、期限後に出すために事業開始日を遅らせようとするケースがありますが、事業開始日は届け出の日ではなく実態を見られます。
税務署からの連絡や税務調査で、実際の事業開始日と届出の事業開始日が異なることが判明した場合、申請書や届出書が無効となる恐れがあるので日にちの誤魔化しは通用しないと思っておきましょう。
届出書に記載する事項
- 青色事業専従者の氏名
- 職務の内容
- 給与の金額
- 支給時期
その他の届出書
青色事業専従者給与として認められるためには、**「青色事業専従者給与に関する届出書」**を提出すれば要件を満たしますが、給与を支払う事業者が提出しなければいけない他の届出書がありますので注意が必要です。
✅ 提出が必要な届出書
給与支払事務所等の開設届出書
給与の支払者が、国内において給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設した際に届け出る手続です。
給与の支給日や従業員の人数などを事前に報告する届出書となります。
初めて給与を支給する場合に、家族や従業員を採用してから1ヶ月以内に納税地の税務署に提出します。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(参考)
そもそも源泉所得税とは何か?という方が多いと思います。
会社や個人が、人を雇って給与を支払ったり、税理士、弁護士、司法書士などに報酬を支払ったりする場合には、その支払の都度支払金額に応じた所得税を差し引くことになっています。
そして、差し引いた所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。
これを7月と翌年1月に半年分ずつまとめて納付できる、納期の特例という制度です。
こちらの届出書は専従者給与を使うための要件に入っていませんが、納付の手間が省けるので一緒に提出しておくことをおすすめ致します。
✅ 手続の条件
給与を支給する人数が家族を含め常時10人未満であること
💡 納付回数の削減
届出書を出すだけで所得税の納付を年12回から年2回にすることができ、毎月納付の手間を省けるのでこちらの書類も一緒に提出しておくといいでしょう。
マネーフォワードクラウド開業届を利用した届出書の作成
**「マネーフォワードクラウド開業届」**を利用することで無料で簡単に届出書が作成ができます。
💡 無料で簡単作成
無料で簡単に届出書が作成できるので、これから届出書を作成しようという方にはオススメです!
作成できる書類一覧
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
- 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
- 上記控え
3.届出書に記載されている方法により支払われ、かつ、その記載されている金額の範囲内で支払われたものであること
支給額は届出書の範囲内
届出書を出せばあとは自由に支給できるというわけではありません。
届出書に記載した金額の範囲内のものに限られます。
届出書に記載した金額を超えた部分については必要経費とならないので、注意が必要です。
金額等を変更したいとき
支給する金額を変更したいときや、専従者が新たに加わったときなどは変更届の提出が必要です。
変更届は、最初に提出した届出書と同じ様式となります。
提出期限は特にありませんが、遅滞なく提出する必要がありますので変更したいときは速やかに提出しましょう。
4.青色事業専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること
支給額は高すぎるとダメ
必要経費となる青色事業専従者給与額は、支給した給与の金額が次の状況等からみて相当と認められるものに限ります。
✅ 支給額を決めるにあたって重要なポイント
- 専従者の労務に従事した期間、労務の性質及びその程度
- あなたの事業に専従するほかの使用人の給与及び同種同規模の事業に専従する者の給与の状況
- 事業の種類・規模及び収益の状況
裁決例、判例をみても実際に事業に従事しているかどうか、どの程度従事していたのか、給与支払額は他の使用人や同業他社と比較して高額過ぎないかをチェックされています。
他に使用人がいる場合には、専従者と使用人の従事した時間、仕事内容を記録し、どのような類似点、相違点があるのかを明確にする、他に使用人がいない場合には同業他社での給与額を転職サイトなどで調査して記録に残し、これらをベースに青色事業専従者給与の支払額を決定するとよいでしょう。
💡 税務署に否認されないためのポイント
- 日報や業務日誌などで仕事の記録を残すこと
- 仕事の内容に比較して金額が高すぎないこと
- 求人サイトなどで同等の仕事の単価を参考にすること
⚠️ 税務調査での注意点
青色事業専従者給与は、給与を支払うだけの簡単な節税方法と思われている方も多いと思いますが、簡単で身内に対する給与であるがゆえ高額になることも多く、税務調査では必ずチェックされる項目となってきます。
(白色)事業専従者控除の概要

青色申告を行っていない個人事業主は、青色事業専従者給与の特例は使用できませんが、事業専従者控除の特例が適用できます。
青色事業専従者給与との違いは、実際に支払った金額ではなく控除される金額が決まっているという点です。
💡 用語の違い
青色申告は「青色事業専従者給与」で、白色申告は「事業専従者控除」ですので微妙に用語が異なります。
事業専従者控除の概要
事業専従者控除の控除額は、次の金額のいずれか低い金額です。
- 事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円
- この控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額
計算式に表すと以下のとおりです。
📎 専従者控除の計算式
事業所得等の金額÷(事業専従者の数+1)
ただし、配偶者86万円、配偶者以外50万円が上限
計算例
事業所得600万円、専従者が配偶者1人の場合
- 計算式による金額:600万円÷(1人+1)=300万円
- 配偶者の上限額:86万円
この場合、低い方の金額である86万円が事業専従者控除額となります。
事業所得120万円、専従者が配偶者1人の場合
- 計算式による金額:120万円÷(1人+1)=60万円
- 配偶者の上限額:86万円
この場合、低い方の金額である60万円が事業専従者控除額となります。
事業専従者控除の要件
事業専従者控除の適用を受けるためには、以下の要件を満たす事業専従者がいることが必要です。
基本的には青色事業専従者と要件は同じです。
✅ 事業専従者の要件
- 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
- その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
- その年を通じて6か月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること。
届出について
事業専従者控除の適用を受けるためには、確定申告書と収支内訳書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載する必要があります。
しかし、事前の届出は不要ですので、青色事業専従者給与のように提出期限はありません。
💡 記載方法
収支内訳書
収支内訳書1ページ目の所定の欄に対象となる事業専従者の氏名、続柄、従事月数などを記入します。
確定申告書
確定申告書第二表の「事業専従者に関する事項」に、氏名、専従者のマイナンバー、続柄、生年月日、従事月数、従事の程度(毎日6時間従事など)、仕事の内容、控除額など控除の対象となる者の情報を記載します。
この第二表に記載した合計額が確定申告書第一表の「専従者給与(控除)額の合計額」と一致するようにします。
注意点

青色事業専従者給与と事業専従者控除はメリットだけでなく、デメリットもあります。
後で後悔しないよう、注意点を理解してから実行するか判断しましょう。
青色事業専従者給与・事業専従者控除の注意点
源泉所得税の納付や年末調整が必要
専従者給与の支給を開始すると、給与の金額に応じて天引きした源泉所得税の納付を毎月行う必要があり、年末には年末調整をしなければなりません。
今までやったことが無い方はイメージが湧かないかもしれませんが、サラリーマンの方が会社から貰っていた源泉徴収票を今度は自分で作成することになりますので、意外と手間がかかる作業となります。
さらに、上記の他に法定調書の作成と税務署への提出を行わなければいけません。
たとえ家族であっても、親族以外の他人を雇用したときと同じ手続きが必要になってきます。
また、税額が0円であっても手続きを行う必要があります。
⚠️ 納付手続きや年末調整を行わないと、後ほど罰則がきますので必ず行いましょう。
配偶者(特別)控除や扶養控除が受けられない
配偶者控除(最大48万円)や扶養控除(最大38万円)よりも大きい控除が受けられますが、控除の二重取りはできないのでどちらかを選択する必要があります。
⚠️ 扶養控除との比較
(白色)専従者控除の場合、配偶者以外の専従者控除(50万円)よりも扶養控除のほうが多くなるケースもあるので注意が必要です。
- 特定扶養親族(63万円)
- 19歳以上23歳未満の方
- 同居老親等(58万円)
- 70歳以上の父母、祖父母で常に同居している方
専従者の年収が増える
当然ですが、専従者給与を支給することで専従者自身の収入が増えることになります。
事業主の税金を減らすために専従者給与をたくさん支給すると逆に専従者の税金が増えてしまいますので、事業主と専従者のバランスをとることが重要です。
支給する専従者にその他の収入がない場合は、年間103万円以下までは相手方に所得税がかかりません(ただし、住民税は100万円以上で課税されます)。
よくある手法として、**専従者の給与を月額80,000円(年収96万円)**に設定することで専従者が非課税となります。
💡 配偶者を専従者とする場合の効果
例えば配偶者を専従者とする場合、配偶者控除は38万円までしか控除されませんが、専従者給与として支給すると103万円まで経費を計上できるため、結果的に65万円多く控除することができます。
税務調査で否認されるケースも
調査の際には、青色専従者給与の内容についてチェックされる可能性が非常に高いです。
仕事内容や給与の支給額が高すぎると判断されれば、高すぎる部分の給与は経費として認められません。
業務量が少なすぎる場合や、他にメインで仕事を持っていたなどで事業主の仕事をしていないと判断されれば、青色専従者給与の全額が否認されてしまうこともあります。
**📌 給料の支払金額の根拠や、勤務実態などについて税務署に説明できるように準備しておき、否認されないように対策をしておきましょう。
(白色)事業専従者控除=専従者の収入
事業専従者控除は、事業に従事したという事実があれば受けられる「控除」です。
実際に給与を支給したかどうかは関係ありません。
また、専従者控除を受けると、控除額が専従者の収入としてカウントされますので、パートやアルバイトをしている専従者は収入増となるため注意が必要です。
⚠️ (白色)事業専従者控除の場合も年末調整は必要になります。
青色事業専従者給与の開始までの流れ

3つのプロセス
青色事業専従者給与・事業専従者控除の概要について説明いたしました。
改めて青色事業専従者給与を支給するまでのステップを確認していきましょう。
①届出書の提出
初めのステップとして、前述で触れた各種届出書を税務署に提出します。
それぞれ提出期限が定められていますので、家族を従業員にしたら第一優先で提出を行いましょう。
②仕事に従事
他の従業員と変わらず日報や出勤簿をつけ、決められた仕事を行ってもらいましょう。
家族や親族のみ特別待遇をすることはNGです。
最低でも6ヶ月以上仕事を行わないと専従者として経費計上できませんので注意が必要です。
③源泉所得税を納付
原則、給与を支払った翌月10日までに従業員に対して源泉税を納付します。
給与の支給する金額が低く、源泉所得税が0円の場合でも申告が必要です。
詳しい手続きについては専門家・税務署の窓口へご相談ください。
⚠️ 納期の特例の活用
支払わないと不納付加算税・延滞税の対象となりますので、期日までに必ず納税を行いましょう。
毎月の作業が大変な場合は、納期の特例の申請も同時に行っておきましょう。
青色事業専従者給与の節税効果

家族に対する給与は、基本的に経費計上することができませんが、必要な手順を踏むことにより経費計上を行うことができます。
青色事業専従者給与のメリット
世帯全体ではお金が減らない
経費を使うと一般的にはお金がなくなりますが、専従者給与は家族にお金を渡すだけなので世帯単位で見るとお金は減りません。
毎月家族に生活費を渡すのか、専従者として働いてもらい給与として渡すのかでは自身の税金が大きく変わってきます。
給与を支払った相手は、給与所得控除を使うことができるためより自身だけでなく、給与を支払った家族も節税することができます。
💡 キャッシュを減らさない節税
キャッシュを減らさずに経費計上ができる数少ない制度の一つとなりますので、前向きに検討することをオススメします。
青色申告特別控除と併用可
専従者給与は、青色申告特別控除と併用して使うことができます。
この2つを合わせるととお金を使わずに最低でも25万円以上節税することができます。
💡 25万円の節税根拠
青色申告特別控除65万円と専従者給与103万円を合計した168万に最低税率15%(所得税5%・住民税10%)を掛けた金額となります。
税率が高い人程、『青色申告特別控除』と『青色事業専従者給与』の恩恵を受けることができます。
最高税率の場合、92.4万円の節税が可能となります。
具体的な節税シミュレーション
年収500万円の個人事業主の場合
青色事業専従者給与を使わない場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 事業所得 | 500万円 |
| 青色申告特別控除 | 65万円 |
| 課税所得 | 435万円 |
| 所得税 | 約42万円 |
| 住民税 | 約43万円 |
| 税金合計 | 約85万円 |
配偶者に月8万円(年96万円)の専従者給与を支払った場合
事業主
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 事業所得 | 500万円 |
| 専従者給与 | 96万円 |
| 青色申告特別控除 | 65万円 |
| 課税所得 | 339万円 |
| 所得税 | 約24万円 |
| 住民税 | 約34万円 |
| 税金合計 | 約58万円 |
専従者(配偶者)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 給与収入 | 96万円 |
| 給与所得控除 | 55万円 |
| 基礎控除 | 48万円 |
| 課税所得 | 0円 |
| 税金 | 0円 |
世帯合計の節税効果:約27万円
最後に

家族や親族に対する支払いとなるため、税務署と争点になりやすいので注意が必要ですが、正しく使えば大きな節税効果を発揮してくれる優れた制度です。
給与支払事務や源泉所得税の納付、年末調整といった手間はかかりますが、補って余りある節税が期待できます。
せっかく用意されている青色申告の特典なので、正しく利用して節税していきましょう。
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