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インボイス制度の対策と特例

インボイス制度はたくさんの小規模事業者を悩ませる制度です。様々な反対運動が展開されておりましたが、国をあげて推し進められ、今後廃止となる可能性は低いと思われます。このページでは令和5年(2023年)10月1日から開始されたインボイス制度について、せどり、物販事業者を中心に、どのように捉えていけばよいかを解説しています。

参考ページ 🔗 インボイス制度の概要と注意点 (※ミニプランは閲覧不可)

重要な前提知識 ⚠️ インボイス制度への対策を考える前に、まずは「インボイス制度の概要」について理解する必要があるため、上記のページをご確認ください。 インボイス制度はそれぞれの視点によって考え方が異なるため、非常に複雑な制度となっております。そのため、スマカクではユーザー様の有利判定などは出来ず、個別具体的な質問への回答も出来かねますのでご注意ください。

Contents

目次

  1. 立場による取引パターン一覧
  2. 販売パターン別の解説
  3. 購入パターン別の解説
  4. インボイス制度導入に伴う特例措置について
  5. インボイス制度のまとめ

立場による取引パターン一覧

取引相手や自分が、「一般消費者」なのか「業者」なのかによって状況が異なり、「業者」であった場合に『インボイス登録事業者』かそうでないかによっても変わってきます。BtoB取引、BtoC取引、CtoB取引など、それぞれの立場や視点によって変わってくる内容となりますので、一概にどのようにしたほうが良いかとというものは本人以外誰にもわからないものとなります。

個別対応の困難性 ⚠️ ご自身の『現在の取引内容』と、これから可能性のある『未来の取引内容』とでどのような立場になるか異なってくるため、これらの有利不利というものを回答することは極めて難しいものとなり、スマカクでは個別具体的な回答は出来かねますので予めご了承下さい。

BtoB取引の視点

BtoB取引は、事業者(Business)同士の取引です。 例えば、Amazonでの仕入、卸からの仕入、その他事業者同士の取引全般などが該当します。

BtoC取引の視点

BtoC取引は、消費者(Customer)に向けた取引です。 例えば、Amazonや楽天、ヤフショやメルカリshopといったプラットフォームを利用した個人への取引が該当します。

CtoB取引の視点

CtoB取引は、事業者が消費者から物品を買い取る取引です。 例えば、ブックオフやリサイクルショップなどの中古買取、スマホや家電などの新品買取業者との取引等が該当します。

販売パターン別の解説

インボイス制度に登録したほうが良いかどうかは、それぞれの事業の状況に応じて判断する必要があるため、一概に判断することは困難です。具体的な取引の場面ごとにインボイスについて考えてみましょう。

様々な販売先による売上パターン 💰 Amazonセラーや楽天、ヤフショで販売している場合 / メルカリ、ラクマ、PayPayフリマ、ヤフオクで一般消費者(toC)向けに販売している場合 / メルカリ、ラクマ、PayPayフリマ、ヤフオクで事業者(toB)向けに販売している場合 / 買取屋へ販売している場合 / 海外向けに輸出販売している場合 / 売電収入を得ている場合

Amazonセラーや楽天、ヤフショで販売している場合

アマゾンセラーやヤフーショッピング、楽天市場、QOO10など、ECプラットフォームでの販売は事業者としての販売になるのでBtoBもしくはBtoC取引が発生することが想定されます。BtoC取引で自身がBである場合は、買い手はC(消費者)なのでインボイスを求められることはありません。ただし、法人や個人事業主が事業目的でECサイトで商品を購入することは充分考えられるため、BtoB取引が発生する可能性は大いにあります。

【Amazonセラー等】インボイス制度へ登録するメリット

同一商品を他のセラーと同一価格で出品した場合、インボイスを発行することによって、インボイスを発行していない他のセラーから買い手が流入してくる期待があります。経理体制が整っている法人や事業主ほど、売り手がインボイス発行事業者かどうかをしっかりチェックしてくると思われますので、事業者向けの商材を扱うならば登録することは有利に働く可能性があります。

【Amazonセラー等】インボイス制度へ登録しないことによるデメリット

課税事業者である買い手は、インボイス発行事業者では無い事業者からは購入を控える可能性が高まります。当然ですが、同じ価格で出品されている商品であれば、よほどのことがない限りインボイス発行事業者から優先的に購入されると予想されます。このため、インボイスが発行できないセラーは価格を引き下げる以外の方法では買い手を見つけることが難しく、販売の機会損失が大きくなっていくでしょう。

商材による影響の違い ✅ 商材が一般消費者の購入が多いような商品の場合は、インボイス登録による影響は軽微となる可能性があります。商材は消費者向けでも、在庫を処分するために値引き販売すると他の事業者が仕入目的で購入してくることも考えられます。

備えあれば憂いなし ⚠️ どのような買い手をターゲットとするかは販売してみないとわからないことが多いので、**「備えあれば憂いなし」**というように、機会損失を生まないよう備えておくのも重要でしょう。

メルカリ、ラクマ、PayPayフリマ、ヤフオクで一般消費者(toC)向けに販売している場合

メルカリやラクマ、ヤフオクなどで一般消費者向けに販売していることが一般的なため、フリマアプリを利用している方が、インボイス制度の影響を受けるケースは少ないでしょう。そもそもフリマアプリは、個人間の取引が基本となるサービスで、取引の相手もほとんどの場合個人です。適格請求書を必要とするのは、課税事業者である法人や個人事業主であるため、個人間での取引の枠を出なければ原則として影響は受けません。

【消費者向けフリマアプリ】インボイス制度へ登録するメリット

一般消費者を相手に販売しているので、買い手からインボイス発行を求められることはないと思われるため、インボイス制度へ登録したとしても売上に影響するメリットは無いと考えられます。

【消費者向けフリマアプリ】インボイス制度へ登録するデメリット

フリマを通じた販売が事業として行われている場合、売上に含まれる消費税を計算して消費税の確定申告を行う必要があります。

メルカリ、ラクマ、PayPayフリマ、ヤフオクで事業者(toB)向けに販売している場合

フリマアプリを通じた販売は対象が一般消費者向けとされているため、プラットフォームとしてインボイス制度に対応しない可能性が高いです。現時点で、各フリマサイトではインボイスへの対応について明記しておらず、そもそも事業用のプラットフォームではないという前提のため、買い手からインボイスを求められてもシステム上の対応は難しいと思われます。可能性として考えられるのは、商品にインボイスを同封して発送するなどの個別対応が想定されます。

【事業者向けフリマアプリ】インボイス制度へ登録するメリット

買い手がインボイスの発行を求めた際にインボイスを発行することができます。

【事業者向けフリマアプリ】インボイス制度へ登録するデメリット

買い手がインボイスの発行を求めた際にインボイスを発行することができないため、買い手が購入を控える可能性があります。

フリマ仕入のリスク ⚠️ フリマ仕入はコンプライアンスの面でリスクが非常に高く、スマカクではフリマ仕入に関する取引を推奨いたしておりません。

参考ページ 🔗 インボイス制度の概要と注意点

買取屋へ販売している場合

買取屋に商品を買い取ってもらう場合は、買取屋から見た個人は基本的には消費者という位置づけですので、CtoB取引ともいえます。

古物商特例について

インボイス制度においては、買い手(この場合は買取屋)はインボイスの保存が仕入税額控除の要件となりますが、古物商や質屋の行う一定の取引については、インボイスの保存なしで仕入税額控除を行うことができる特例(古物商特例・質屋特例)が設けられています。

国税庁の説明 🔗 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合 古物営業法上の許可を受けて古物営業を営む古物商が、適格請求書発行事業者以外の者から同法に規定する古物(古物商が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を買い受けた場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます

このため、買取屋からインボイスを求められることは基本的に発生しないと考えられますので、売り手である事業主はインボイス制度に登録をしていなくても特にデメリットはないと考えられます。

買取屋への影響 💡 せどりや転売事業者からゲーム機器やスマートフォンなどの大量買取を行う、いわゆる『買取屋』への販売をメインで行っている事業者の場合、上記のような古物商特例が適用されるため、「適格請求書発行事業者ではない一般消費者からの買取金額を引き下げる」ということはまずないでしょう。

【買取屋】インボイス制度へ登録するメリット

買取屋は上記の『古物商特例』が適用されるので、適格請求書発行事業者になったからといって、買取価格を優遇されるなどの対応は無いと考えられます。

価格優遇の可能性 ⚠️ インボイスへ登録していない、つまりは「適格請求書発行事業者ではない一般消費者」からの買取金額を引き下げることは考えにくく、買取自体を行わなくなることも無いため、この点においては特にメリットはありません。

【買取屋】インボイス制度へ登録するデメリット

2年前の課税売上高が1,000万円未満の免税事業者であった場合であっても、消費税を納める必要があります。ただし、買取屋での販売は単価が高くなりがちで、買取屋販路をメインとしている事業者であれば年間で1,000万円を超えるケースは珍しくありません。インボイス制度に登録をしなかったとしても、課税売上高が1,000万円を超えるとその年の2年後には消費税の納税義務が発生しますので注意が必要です。

海外向けに輸出販売している場合

eBayでの販売など、海外輸出を行っている場合、買い手は国外の消費者または事業者となるため日本国内の消費税を納める必要がないことからインボイスを求められることはありません。

【海外輸出】インボイス制度へ登録するメリット

インボイスの発行を求められることがないため、登録によるメリットはありません。なお、輸出免税の適用を受ける場合は、その売上に対して消費税を課されません。

【海外輸出】インボイス制度へ登録するデメリット

インボイスの発行を求められることがないため、登録によるデメリットはありません。課税売上高には輸出免税売上も含みますので、輸出免税と国内売上の合計が1,000万円を超えると消費税の納税義務が生じますので注意が必要です。

輸出免税の理解 ⚠️ 輸出免税は消費税0%の売上と覚えておくとよいでしょう。

売電収入を得ている場合

インボイス制度開始後は、FIT認定事業者がインボイス発行事業者の登録を受けない場合には、買取義務者は、FIT認定事業者が発電した電気の買い取りにあたって、インボイスの交付を受けることができないため、買取価格に係る取引分の仕入税額控除ができなくなります。インボイスを発行するためには、事前にインボイス発行事業者として登録を受ける必要がありますので、FIT認定事業者のうち、消費税を申告・納税されている方(課税事業者)は、インボイス発行事業者としての登録が必要となります。 消費税を申告・納付していない方(免税事業者)は、インボイス制度に関する対応は不要です。インボイスの登録がなくとも、現行の買取価格が変更されることはありません。

参考資料 📌 経済産業省 資源エネルギー庁 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_invoice.html

ただし、令和5年度以降は課税事業者と免税事業者で買取価格を分ける可能性があります。

免税事業者には消費税の納税の義務がないこと、また、インボイス制度開始後、免税事業者との取引については、仕入税額控除ができないことにより消費税負担が生じることをふまえ、2024 年度以降の調達価格については、その電源種や規模によらず、 ➢ インボイス発行事業者(すなわち課税事業者):外税方式 ➢ 非インボイス発行事業者(すなわち免税事業者):内税方式(これまでの10kW 未満の太陽光発電と同様) とした。

契約先への確認 ⚠️ 詳細はご契約先の電力買取業者にお確かめください!

購入パターン別の解説

仕入れや経費となるものを購入する場合には、自分がインボイス発行事業者かどうかは関係なく、「消費税の課税事業者かどうか」で取り扱いが変わります。

  • 消費税の納税義務がない事業者は、インボイスを受け取らなくても特に影響はありません。
  • 消費税の納税義務がある事業者は、インボイスを受け取り保存しておかなければ仕入税額控除の適用が受けられなくなります。

ここからは「消費税の課税事業者である方」を対象として説明いたします。

仕入れや経費などのパターン 🛒 ドン・キホーテや大型家電量販店などで仕入れしている場合 / Amazonや楽天市場などのECサイトで購入した場合 / メルカリ、ヤフオクなどで仕入れをした場合 / 友人などへ仕入れ代行を依頼し、支払いを行った場合 / 自動販売機やコインロッカーやATMを利用した場合 / 家賃など請求書の交付がない契約 / 海外から仕入れをしている場合

ドン・キホーテや大型家電量販店などで仕入れしている場合

大手の量販店などが発行するレシートは、多くの場合条件を満たしたレシートであり、適格簡易請求書として扱われます。そのため、今まで通り仕入税額控除の対象となり、扱いに変更はありません。

書類保存の重要性 ✅ 領収書や請求書は確実に保存しておきましょう。

Amazonや楽天市場などのECサイトで購入した場合

Amazonや楽天市場、ヤフーショッピングなどの大手ECサイトで購入する場合、インボイスは各出店者、出品者が発行する義務があります。プラットフォームとなるECサイト側で電子インボイスが発行できると想定されますので、電子帳簿保存法に則ってデータを保存すれば問題はないでしょう。ただし、各出店者がインボイス制度に登録しているかどうかは別途確認が必要となります。

事業者の登録確認 💡 大手ECサイトに出品している事業者でも必ずインボイスが発行できるとは限らないので確認は必要となります。

メルカリ、ヤフオクなどで仕入れをした場合

世論の見解警視庁・弁護士のコメント(要約)
古物商許可があればいいフリマアプリ仕入れによる古物取引を目的に古物商許可を取得しようとした人たちは、申請時に「非対面取引における相手方の確認方法」をとれない点を指摘され、申請を取り下げたり、業態を見直したりしている。
運営会社が本人確認をしているから問題ない現行の古物営業法では、買取をする古物商が本人確認をすると定められているため、運営会社の本人確認では不十分。

警視庁の公式見解 🔗 警視庁 – 古物商許可申請をされる方へ

フリマサイトでの仕入れについては、警視庁の公式見解として、**『インターネット等を利用した相手方と直接対面しない形態の取引では、法令で定められた「非対面取引における相手方の確認方法」をとる必要があります。単に「運転免許証のコピーの送付を受ける」等の方法では不十分であり、古物営業法で定める確認を行ったことにはなりません。』**との発表を行っております。

法的リスクの認識法令に従っていない=違法であるという見解です。これは古物商許可を取得している場合の話であり、その許可があれば許されるというわけではありません。「個人として登録して、そのアカウントで仕入れをすれば大丈夫」と言う人もいますが、営利目的で、かつ反復継続して取引をした場合は、古物商の無許可営業として違法になる可能性が濃厚です。

今後、フリマ仕入については法令の面からも、インボイス制度の面からも環境は厳しくなることが予想されます。ビジネスを継続的に行うためにはリスクとリターンを天秤にかけたうえで検討をする必要があるでしょう。

事業用プラットフォームへの移行 ⚠️ メルカリshopsのように、事業者による出店を前提としているプラットフォームであればECサイトと同様にインボイスへの対応が行われる予定ですので、この機会に事業用のプラットフォームにステップアップすることも検討してよいかもしれません。

インボイス制度の概要

インボイスが必要な場合は、個別に出品者に依頼をする必要があるため、出品者がインボイス制度に登録しているかどうか、ちゃんと発行してくれるか、発行されたインボイスは所定の要件を満たしているか、確認する作業が煩雑になると予想されます。

友人などへ仕入れ代行を依頼し、支払いを行った場合

自身ではなく他者に購入を依頼して、その他者に代金を支払ういわゆる「立替払い」の場合はインボイスの取り扱いが難しくなります。インボイスには代金を支払う人の氏名を記載しなければなりません。

立替払いでの注意点 💡 インボイスの宛名が友人等の氏名だった場合、そのインボイスで仕入税額控除ができるのはその友人になってしまうため、立替払いを依頼した本人は仕入税額控除が受けられません。 このため、立替払いで購入する商品の販売者から、インボイスの宛名を友人等ではなく自身の名前にしてもらう必要があります。

立替払いの時に仕入税額控除を受けるために必要な書類

前項の場合、友人等から立替金清算書などの書類を作成してインボイスに添付してもらうことで対応が可能とされております。

国税庁Q&Aインボイス制度に関するQ&A 問92 立替金

インボイスに記載する必要事項

必要な記載事項 📌 ①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号 / ②課税資産の譲渡等を行った年月日 / ③課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容 / ④税率ごとに区分した課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額の合計額及び適用税率 / ⑤税率ごとに区分した消費税額等 / ⑥書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

手続きの簡素化 ⚠️ 手続きが煩雑になるため、インボイスは他者の名前ではなく『自身の宛名で発行』してもらうようにしましょう。

自動販売機やコインロッカーやATMを利用した場合

公共交通機関特例

電車やバスを利用したときは原則として領収書が発行されませんのでインボイスを受け取れません。このため、交通機関を利用したときはインボイスの交付義務が免除されます。ただし、金額が3万円未満という限度が設けられております。この3万円未満の基準は、1回の取引の税込価額が3万円未満かどうかで判定します。したがって、切符1枚ごとの金額や、月まとめ等の金額で判定することにはなりません。

具体例 💡 【具体例】東京新大阪間の新幹線の大人運賃が 13,000 円であり、4人分の運賃を計算する場合には、4人分の 52,000 円で判定することとなります。

参考資料インボイス制度に関するQ&A 問102 公共交通機関による旅客の運送

自動販売機特例

3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等は、インボイスを交付することが困難なため、インボイスの交付義務が免除されます。インボイスの交付義務が免除される自動販売機特例の対象となる自動販売機や自動サービス機とは、代金の受領と資産の譲渡等が自動で行われる機械装置であって、その機械装置のみで、代金の受領と資産の譲渡等が完結するものをいいます。

自販機特例が認められる取引 ⭕ 自動販売機による飲食料品の販売 / 金融機関のATMによる手数料を対価とする入出金サービスや振込サービス / コインロッカーやコインランドリー等によるサービス

上記のように、機械装置のみにより代金の受領と資産の譲渡等が完結するものが該当することとなります。ただし、下記のようなサービスは、自動販売機や自動サービス機による商品の販売等に含まれません。

自販機特例が認められない取引 ❌ 小売店内に設置されたセルフレジを通じた販売のように機械装置により単に精算が行われているだけのもの / ネットバンキングのように機械装置で資産の譲渡等が行われないもの / コインパーキングや自動券売機のように代金の受領と券類の発行はその機械装置で行われるものの資産の譲渡等は別途行われるようなもの

参考資料インボイス制度に関するQ&A 問47 自動販売機及び自動サービス機の範囲

家賃など請求書の交付がない契約

事務所の家賃など、取引の都度、請求書や領収書が交付されない取引もあります。インボイス制度では口座振替でも帳簿への記載のみでは仕入税額控除は認められず、賃貸借契約書等の書類の保存などが必要となります。ただし、居住用の家賃は消費税非課税となりますので影響はありません。 消費税がかかる家賃はあくまでも事務所や倉庫などの事業用の契約物件となります。

契約の種別による判断 ⚠️ 賃貸契約が居住用か事業用かで判断しますので、目的が仕事用でも居住用の契約であれば非課税となります。

契約書に登録番号等の記載がある「新規契約」は契約書+通帳等で対応可能

インボイス制度で仕入税額控除を適用するには、その取引相手(賃貸借契約では貸主)の登録番号等が記載されたインボイスの保存が必要となります。複数の書類を組み合わせる形でインボイスの記載事項を満たすことが認められています。令和5年10月以降に新たに事務所の賃貸借契約を結ぶ「新規契約」では、賃貸借契約書に貸主の登録番号等が記載されていると思われますが、それだけではインボイスの記載事項を満たしません。この場合、賃貸借契約書に加え、口座振込では登録番号等とは別にインボイスの記載事項である「課税資産の譲渡等の年月日」を示す振込金受取書の保存が必要となります。口座振替では振込金受取書の交付を受けないため、賃貸借契約書に加え、その銀行口座に係る「通帳」を保存すればインボイスの全ての記載事項を満たし、仕入税額控除が認められます。

契約書に登録番号等の記載がない「既存契約」は不足事項の補足に注意

注意したいのが、令和5年10月前から既に事務所の賃貸借契約を結んでいる「既存契約」のケースです。インボイス制度が始まる前に契約を締結しているため、その締結時期によっては登録番号のほかにもインボイスの記載事項である「適用税率」や「消費税額等」が賃貸借契約書に記載されていないことが想定されます。この場合、新たに賃貸借契約書を結び直す必要はありませんが、借主は賃貸借契約書及び振込金受取書等の保存に加え、記載が不足している登録番号、適用税率や消費税額等について、貸主から別途通知を受けて保存をする必要があります。

参考資料インボイス制度に関するQ&A 問93 口座振替・口座振込による家賃の支払

海外から仕入れをしている場合

海外から仕入れを行う場合は、日本国内の消費税が課されないため免税の仕入となります。この場合、仕入税額控除はもちろんありませんし、インボイス制度の登録も特に関係はありません。

インボイス制度導入に伴う特例措置

インボイス制度は様々な負担が生じることとなるため、導入にあたって税負担・事務負担を軽減するための特例措置が用意されています。複数の特例を確認し、ご自身が今後どのように動いていけばいいか判断していきましょう。

免税事業者からの仕入れに係る経過措置

インボイス制度は「令和5年10月1日」より開始されます。 インボイス制度導入後は、免税事業者等からの仕入は、原則として仕入税額控除を行うことができません。

経過措置の概要 💡 制度開始後6年間は、免税事業者からの課税仕入についても、仕入税額相当額の一定割合を仕入れ税額として控除できる経過措置が設けられています。

控除率の変動 ✅ ・2026年(令和8年)9月30日までは、免税事業者からの仕入の80%が控除可能 / ・2029年(令和11年)9月30日までは、免税事業者からの仕入の50%が控除可能 ※インボイス発行事業者に登録していない課税事業者からの仕入についても同様です。

この経過措置を受けるためには、以下の書類の保存が必要となります。

  • 区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等
  • 経過措置を受けることを記載した帳簿

1️⃣令和5年10月1日~令和8年9月30日:80%の経過措置期間

一般消費者やインボイスに未登録の免税事業者から仕入れを行っている場合、**『10%分控除されていた消費税のうち、8割の仕入税額控除が可能』**となります。すなわち支払った消費税の20%は控除対象外となります。そのかわり、消費税で控除できなかった税額は所得税の計算上は必要経費に算入できます。消費税が増える分、所得税は若干減少しますので、まったく切り捨てられるというわけではありません。

計算例 📝 【計算例】売上1,100(税込) / 仕入990(税込) / 所得税率20% の場合 インボイス事業者からの仕入:1,100-990=110 消費税100-90=10 利益100 / 利益100×20%=所得税20 税引き後80 利益率7.27% / インボイス事業者以外からの仕入:1,100-990=110 消費税100-90**×80%**=28 利益82 / 利益82×20%=所得税16.4 税引き後65.6 利益率5.96% 利益率は△1.31%減少します。

2️⃣令和8年10月1日~令和11年9月30日:50%の経過措置期間

一般消費者やインボイスに未登録の免税事業者から仕入れを行っている場合、**『10%分控除されていた消費税のうち、5割の仕入税額控除が可能』**となります。すなわち支払った消費税の50%は控除対象外となります。そのかわり、消費税で控除できなかった税額は所得税の計算上は必要経費に算入できます。消費税が増える分、所得税は若干減少しますので、まったく切り捨てられるというわけではありません。

計算例 📝 【計算例】売上1,100(税込) / 仕入990(税込) / 所得税率20% の場合 インボイス事業者からの仕入:1,100-990=110 消費税100-90=10 利益100 / 利益100×20%=所得税20 税引き後80 利益率7.27% / インボイス事業者以外からの仕入:1,100-990=110 消費税100-90**×50%**=55 利益55 / 利益55×20%=所得税11 税引き後44 利益率4.00% 利益率は△3.27%減少します。

3️⃣令和11年10月1日~:経過措置期間の終了後

一般消費者やインボイスに未登録の免税事業者から仕入れを行っている場合、**『10%分控除されていた仕入税額控除ができなくってしまう』**ことになります。すなわち支払った消費税の全額は控除対象外となります。そのかわり、消費税で控除できなかった税額は所得税の計算上は必要経費に算入できます。消費税が増える分、所得税は若干減少しますので、まったく切り捨てられるというわけではありません。

計算例 📝 【計算例】売上1,100(税込)/ 仕入990(税込)/ 所得税率20% の場合 インボイス事業者からの仕入:1,100-990=110 消費税100-90=10 利益100 / 利益100×20%=所得税20 税引き後80 利益率7.27% / インボイス事業者以外からの仕入:1,100-990=110 消費税100-90**×0%**=100 利益10 / 利益10×20%=所得税2 税引き後8 利益率0.72% 利益率は△6.55%減少します。

猶予期間の意味 ⚠️ 経過措置の期間中に「一定の割合で仕入税額控除」が可能ということは、実質的には購入側(仕入れなど)の猶予期間となります。

古物特例について

古物営業法上の許可を受けて古物営業を営む古物商が、インボイス発行事業者以外の者から同法に規定する古物(古物商が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を買い受けた場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。つまり、古物の免許を持つ事業者が消費者から商品を買い取る際には、インボイスを受領する必要がありません。

買取時の対応 💡 言い換えると、買取屋やリサイクルショップで商品を買い取ってもらうときに、皆さんはインボイスを発行する必要がないということになります。

詳しくは「買取屋へ販売している場合」の項目をご参照ください。

2割特例について**(対象:小規模事業者・3年間の時限措置)**

これまで免税事業者であった事業者がインボイス発行事業者として課税事業者になる場合の税負担・事務負担の軽減措置として、インボイス制度の開始から3年間、事業者の納税額を売上税額の2割とする特例(「2割特例」)が創設されました。

適用対象期間

適用対象期間は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間です。例えば、免税事業者である個人事業者が令和5年10月1日に登録した場合には、令和5年分(令和5年10月~12月分)から令和8年分までの申告について特例を適用できます。

適用対象者

適用対象者は、インボイス発行事業者として登録を受けなければ事業者免税点制度の適用がある事業者となります。インボイス発行事業者として登録を受けていない者は、特例を適用できません。また、「課税事業者選択届出書」の提出により令和5年10月1日より前から課税事業者となる者の同日の属する課税期間は適用できません。

対象インボイス発行事業者として登録を受けなければ事業者免税点制度の適用がある事業者
対象外納税義務の免除の特例に係る各規定の適用により事業者免税点制度の適用を受けられない者、インボイス発行事業者として登録を受けていない事業者、課税期間の短縮特例の適用を受ける課税期間、「課税事業者選択届出書」の提出により令和5年10月1日前から課税事業者となる者の同日の属する課税期間

事前の届出・継続適用の縛り

特例を適用する旨を確定申告書に付記すればよいとされておりますので、事前の届け出は不要です。2年間の継続適用の縛りはなく、各申告時に本則課税や簡易課税と選択して適用することができます。

事前届出不要
適用要件適用を受けようとする課税期間の確定申告書に「2割特例」の適用を受ける旨を付記する。
継続適用の縛りなし

税額の計算方法

税額計算方法は、簡易課税制度の第2種事業と同じとなります。簡易課税制度で求められる業種区分は不要となります。

計算方法売上税額-(売上税額×80%)=納付消費税額等

少額特例について**(対象:課税売上高1億円以下の事業者・6年間の時限措置)**

インボイス制度への円滑な移行とその定着を図る観点から、「基準期間(2年前)における課税売上高が1億円以下の事業者」、又は『特定期間の課税売上高が5,000万円以下である事業者』については、インボイス制度開始から**『6年間』**、支払対価の額が「1万円未満の課税仕入れ」については、インボイスの保存がなくとも帳簿のみの保存で仕入税額控除が可能とされることとなりました。

「課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満」の注意

ここでいう**「課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満」**に該当するか否かについては、一回の取引の課税仕入れに係る金額(税込)が1万円未満かどうかで判定するため、一商品ごとの金額により判定するものではありません。 基本的には、取引ごとに納品書や請求書といった書類等の交付又は提供を受けることが一般的であるため、そのような書類等の単位で判定することが考えられます。月まとめ請求書のように複数の取引をまとめた単位により判定することとはならないことにご留意ください。

少額特例が認められる取引 ⭕ 5,000円の商品をXX月3日に購入、7,000円の商品をXX月10日に購入し、それぞれで請求・精算⇒それぞれ1万円未満の取引となり、本経過措置の対象 / 1回8,000円のクリーニングをXX月2日に1回、XX月15日に1回行い、それぞれで請求・精算⇒それぞれ1万円未満の取引となり、本経過措置の対象

少額特例が認められない取引 ❌ 5,000円の商品と7,000円の商品(合計額12,000円)を同時に購入⇒1万円以上の取引となり、本経過措置の対象外 / 月額100,000円の清掃業務(稼働日数:12日)⇒1万円以上の取引となり、本経過措置の対象外

適用対象期間

適用対象期間は、令和5年10月1日から令和11年9月30日の間に行う課税仕入れ

適用対象者

基準期間(2年前)における課税売上高が1億円以下又は特定期間の課税売上高が5,000万円以下である事業者

インボイス制度のまとめ

インボイスがないことで常に取引の制約を気にして、肝心の事業の幅を狭めてしまっては元も子もありません。それならばインボイスに登録して堂々と発行事業者として取引を行うことで余計な心配事に自身のリソースを割かずに済みます。今後事業の拡大を積極的に計画している場合や、将来的に課税売上が1,000万円を超える見込みがある事業者にとっては登録することが事業運営上、メリットが大きくなる可能性も考えられます。

MFクラウド – 今から知っておくべき『インボイス制度』概要と対策制度

https://biz.moneyforward.com/mfc-partner/cms/invoice_system.pdf

マネーフォワードの資料でも詳細に解説されている使用がありますので、より深く知識を深めたい方はご確認下さい。

複合的に判断する

前項の様々なパターンのように、事業者の取引内容ごとに有利不利は異なります。しかし、自分にとっての最適解は自分自身が今後どのような事業展開をしていくかによって全くことなるため、メリット・デメリットはあくまで参考に留め、前向きに選択していきましょう。

専門家への相談の限界 ☝ 結局のところは、今後の自身の行動によって変わるものとなるので、インボイスについて税理士に相談したとしても、日々のマーケットに依存する傾向が強いせどり・転売事業者の実態を分析し、先を見据えた判断や回答をすることは難しいと言えるでしょう。

また、インボイスは一度登録しても取りやめることができる制度なので、検討に時間をかけすぎるよりもまずは登録してから実際にインボイス事業者として事業を行ってからまた次の判断を行うのも選択肢としてはありではないでしょうか。

判断の困難性 ⚠️ 自分が常にインボイスが不要とされる領域でのみ事業を行うかどうかは、スマカクを含め誰も予想ができず、税務相談を行う際にも相当な時間が掛かります。

個別相談の限界 ⚠️ スマカクではユーザー様の個別具体的な最適解を判断することはできません。 本ページに様々な事例を提示しておりますので、最も自分に近いと思われるものを参考にご自身の責任の下で判断をしていただければと思います。

インボイス制度に関するお問い合わせ先

政府によるインボイス制度対応のための支援■インボイス制度・専用ダイヤル(無料) 0120-205-553 【受付時間】9:00~17:00(土日祝除く) ■軽減税率コールセンター(消費税軽減税率電話相談センター)(無料) 0120-205-553 【受付時間】9:00~17:00(土日祝除く) ■国税庁サイト インボイス制度特設サイト / 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き / インターネット番組(Web-TAX-TV) / インボイス制度 お問合せの多いご質問 / インボイス制度に関するQ&A目次一覧 / 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A / 国税庁適格請求書発行事業者公表サイト / 消費税の軽減税率制度

コールセンター活用 ⚠️ コールセンター等へ問い合わせ頂くと、インボイス制度の最新情報について回答してくれます。是非活用していきましょう!

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